テーマ10「阿蘇の草原で学ぶ地球環境」についてもっと深く知りたいみなさんのページです。
あか牛の放牧
あか牛が広々とした草原に放牧されている風景は、阿蘇を代表する景色です。
あか牛は、阿蘇などで飼育(しいく)されていた牛とシンメンタール種を交配させて改良された牛です。暑さや寒さに強く、放牧にむいていて、おとなしく飼いやすいと言われています。
草原を守り利用するために、1年を通して季節ごとに草原に働きかけています。
毎年「野焼き」を中心として同じ作業を繰り返しています。
秋:野焼きの延焼防止のための防火帯を作ります。「輪地切り」と言われます。その総延長は約530kmにもなります。
3月ころ:野焼きを行います。野焼き火を扱う危険な作業です。
4月ころ:新しい草が育ち始めたら、放牧が始まります。
9月~10月:放牧していない牧野では、草刈り(採草)が行われ、家畜の飼料とします。
11月ころ:放牧は終わります。
野焼きと草原
野焼きをしないと草原はどうなるのでしょうか。放置するとヤブになり20年もすると森になってしまいます。草原のままでたもつには野焼きが欠かせません。
草原利用のうつり変わり
生活様式が変わり草原は以前ほど必要でなくなりました。草原を守ることがむずかしくなってきています。それでもなぜ草原を守ることが大切なのか?考えてみましょう。
草原の減少(げんしょう)
100年くらい前とくらべて草原の面積は半分以下にへりました。
草原にはどういうよさがあるのか考えてみましょう!
草原には、多様な生き物がいます
阿蘇の植生便覧(しょくせいびんらん)によりますと,約1600種の植物が阿蘇地域に暮らしています。そのうち、草原には約600種の植物が生育しており、ほかの地域では少なくなった絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)も見ることができます。阿蘇の草原は豊かな動植物多様性を育んでいるのです。
テーマ1の「阿蘇の貴重な生き物」、テーマ2の「生き物どうしの関わり合い」も見てみましょう。
草原には、ふった雨を地下にたくわえる能力(水源涵養:すいげんかんよう)があります。この能力は、実は、森林よりも高いという研究結果があります。
草原には、空気中の二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸って地中にたくわえる能力(炭素固定:たんそこてい)があります。
草がいきおいよく成長する時に、空気中の二酸化炭素をたくさんとりこみます。野焼きを行うと、地上の草はもえて二酸化炭素が出てきますが、炭となったものや根はそのまま地中にたくわえられます。1年をとおして計算すると、二酸化炭素をすって地下に炭素としてたくわえる能力は森林よりも高いという研究も出されています。
草原の活用
赤牛をふやして放牧すること、草の堆肥(たいひ)を使った野菜作り、茅葺(かやぶき)屋根の茅の供給(きょうきゅう)など、新しく「草原を活用した観光」に取り組んでいます。
人々は、阿蘇の草原とどのように接し、どのように利用してきたのだろうか?ということについて調べてみたい人はここをクリック
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