テーマ2「生き物どうしの関係」についてもっと深く知りたいみなさんのページです。
ダイコクコガネの生き方を観察してみましょう
ダイコクコガネは、牛や馬のフンを食べるフン虫で、草原のそうじ屋さんと呼ばれています。
九州から北部の山地に生息しています。
体長はコクワガタぐらいで18~28㎜です。
体は黒色で光っていて、頭に角があります。
成虫は6~10月に現れ、おもに夕方飛び回り、牛馬のフンに集まって食べます。
ダイコクコガネの生き方はおもしろいよ!
フンの下に穴をほり、フンだんごを作って穴に引きこみます。この中に産卵し、幼虫はこのフンをえさにして成長します。もしダイコクコガネがいなかったら、草原はフンだらけになってしまうよね。
オオルリシジミとクララやアリの関係もおもしろいよ
オオルリシジミは、本州の中部より北側のかぎられた地いきと阿蘇とくじゅうに生息しています。しかし、本州では絶滅(ぜつめつ)があやぶまれていて、国内では阿蘇が最も重要な生息地になっています。5月ごろになると草原でやさしくしとやかに舞う姿が見られます。
オオルリシジミの成虫は、5月ころに年に1回だけ見ることができます。
瑠璃色(るりいろ:むらさきがかったあざやかな青色)の表羽に黒い点のもようがあればメスです。なければオスです。
*オオルリシジミの生き方にはおどろくよ!
メスはクララという植物に卵を産みます。牛は、このクララを食べません。ですから、卵を食べられる心配がないのです。
卵の期間は約1週間で、ふ化した幼虫はクララのつぼみと花を食べて成長します。
幼虫は大きくなると体から蜜(みつ)を出します。その蜜をなめにアリが来るので、天敵(てき)が幼虫をおそいづらくなります。このような関係を共生関係(きょうせいかんけい)といいます。
たくさんクララを食べると紫(むらさき)色に変色します。そしてクララをおりて土の中でさなぎとなります。 オオルリシジミは、7月から次の年の5月までずっとさなぎですごします。
オオルリシジミと草原の一年
春、牛を放す草原では、クララは毒(どく)があるため食べのこされています。オオルリシジミは、卵を産むことができるのです。野焼きの時には、サナギは土の下にあるため焼けません。こんなふうに草原のサイクルとオオルリシジミの一生は、ぴったりとあっています。放牧や野焼きといった人の活動が、このチョウが生きるために大切なのです。
草原ではいろいろな生き物がかかわりをもちながらいきているよ!
阿蘇草原のいろいろな生き物
阿蘇の草原では、採草(草を刈って利用する)、放牧等の様々な土地利用がなされることで、いろいろな生物が生きている豊かな草原となっています。植物は約600種(たくさんの希少植物を含む)が生育し、チョウ類は109種(熊本県産117種のほとんど)が生息し、「チョウの楽園」とも言われています。