テーマ5「阿蘇で見ることのできる古代」についてもっと深く知りたいみなさんのページです。いろいろ調べてみてください。
阿蘇では、南阿蘇村歴史民俗資料館と草部郷土資料館、高塚横穴群で古代の資料を見ることができます。
南阿蘇村歴史民俗資料館では、南鶴遺跡で発掘された遺物があります
南鶴遺跡とは
南阿蘇村吉田地区にあった弥生時代後期の集落跡です。
竪穴住居が108軒、円形周遺構5基、土壙墓13基、溝状遺構8条が見つかっています。
いろいろな遺物から大分や北九州、球磨地方(熊本県)との交流考えられます。
たとえば、ジョッキ型土器(壺)、ベンガラ(赤色)で塗られた丹塗りの壺や甕などの
土器、石器、鉄器が出土しています。
その他に石包丁が出土したことから、集落で農耕が行われていたことが想定できます。
免田式土器(メタバースでは3Dで見ることができます)
球磨地方、熊本平野を中心に分布をしている免田式土器の壺です。阿蘇地方との交流があったことが考えられます。
ジョッキ型土器(脚台付甕形土器)
熊本県内に分布する黒髪式土器の系譜を引く土器です。
草部郷土資料館では幅津留遺跡の遺物があります
幅津留遺跡とは
高森町津留地区の高台に広がる弥生時代後期の集落跡です。阿蘇の恵みであるベンガラを媒介に各地域と交易していたと思われます。南阿蘇には、弥生時代のハイテク工場ともいうべき大集落が存在していたようです。
祭祀に使われたと思われる丹塗りの土器で墓所より出土しました。
鉄器は、小型工具(きり、針、刀子(とうす・小刀)、のみなど)が出土しています。
弥生時代後期(2000年前)阿蘇地域の弥生時代の集落は多量の鉄製品を出土しています。
玉素材は、碧玉(へきぎょく)九州以外の産地勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)を製作しています。砥石(といし)はリソダイト(天草砥石)を使用しています。
高塚横穴群の遺物
高塚横穴群(墓群)とは
横穴を墓地として使っていました。熊本と宮崎を結ぶ交通の要衝地に横穴群が存在しています。
横穴の形が南九州(宮崎)の横穴と類似しています。
短甲(たんこう)は、古墳時代のよろいです。近畿中央政権から配布されたもので中央政権とのつながりを示すものです。
*先生方へ
阿蘇の遺跡で見つかった黒曜石(こくようせき)の石器について、講座を開催しました。動画はこちらからご覧いただけます。