阿蘇4カルデラ噴火によって阿蘇カルデラができた後、カルデラは湖になりました。
それでもまもなく火山活動が再開して、「中央火口丘群」を作りました。
この図は、阿蘇火山の中央部の地質図です。それぞれの火山ごとに色分けをした地図です。たくさんの火山があります。(産総研:阿蘇火山地質図より)
1.阿蘇五岳とは
みなさんがよく耳にする「阿蘇五岳」とは、地図の東の方から、根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳の5つの山です。阿蘇を代表する5つの山とはどういう意味でしょうか?
(1)阿蘇の新しい方から5つの山?
できたての新しい方から5つの火山かな?と思って調べると、約8万年前から5万年前にできた「根子岳」は入っているのに、約3000年前にできた「米塚」は、入っていません。ですから五岳とは新しい火山ではありません。
(2)阿蘇の活発な火山?
最近の1000年くらいで活発な火山活動をしている火山は、中岳です。江戸時代に水蒸気噴火をおこなった「湯の谷」は、山にあげられていません。根子岳は、ずっと古い火山です。
阿蘇五岳は、阿蘇を遠くから見たときにきれいに見える5つの代表的な山のことです。昔の有名な文人が挙げたものです。
2.阿蘇の火山地質図に出ている火山
この図は、上の図よりももう少し広く、阿蘇カルデラ全体の中にある火山を見ています。(産総研:阿蘇火山地質図より)
約9万年前の阿蘇4カルデラ噴火のあとにできた火山を「後カルデラ火山」、あるいは「中央火口丘」と言います。西側をみると、「栃ノ木溶岩」や「赤瀬溶岩」のような○○溶岩がたくさんあります。これらの溶岩は、火山が噴火して溶岩を流したのですが、その後の噴火で、さらに新しい火山に覆われて今ではどこで噴火したかわからない火山の証拠となっています。
これらの山々はどんな順番でできたのでしょうか?整理してみましょう。
3.阿蘇の中央火口丘群の歴史
渡辺・宮縁らの論文から |
阿蘇4カルデラ噴火の後、阿蘇カルデラはカルデラ湖になりました。こうした中で、中央火口丘の活動が始まりました。現在の段階では、鮎返の滝溶岩がもっとも古い溶岩です。
最近の1万年間で噴火した火山は、以下の3つに分けることができます。
- 現在活動中の中岳(最新期火砕丘)
- 米塚、往生岳、杵島岳、上米塚などの阿蘇の北西部の火山
- 湯の谷、地獄火口などのちゃんとした火山体を作っていないが、水蒸気噴火を起こした阿蘇西部の火口群