1-1-03 中岳

中岳第1火口の噴火

中岳第1火口の噴火です。数年に一度、このように火山灰をたくさん噴き出す噴火をします。

 

 

北の空から見た中岳火口

空から見ると、高岳の右側に噴煙をあげている中岳火口が見えています。

 

北(大観峰)から見た阿蘇の山々

麓からみると、中岳は高岳の右の少しずつ低くなっているところにあるのですが、噴煙が見えないとその場所を確認することはできません。中岳という名前は有名ですが、麓から見ると中岳は目立ちません。なぜ目立たないのでしょうか?

 

南の空から中岳をズーム

実は、現在噴火している中岳は、山体の成長と破壊を繰り返してきたもので、現在の中岳火口は、三代目中岳(最新期火砕丘)なのです。

初代中岳(古期山体)は、今からおよそ2万年前に生まれ、大きな山を作りました。この山が残っていたら、麓からもはっきりと見えたでしょう。初代中岳はその後、山体の西側の大部分が破壊され、東側が残りました。残った山体の残骸のもっとも高い場所が、現在、中岳の山頂となっています。破壊される前の山頂は、今の山頂よりずっと高かったと思われます。初代中岳が残っていたら、麓から見てもちゃんとした山が見られたでしょう。

中岳はその後、二代目中岳(新期山体)が作られ、さらにこの山体も破壊され、その後、三代目中岳(最新期火砕丘)が作られました。三代目中岳は、生まれたばかりでまだ大きな山を作っていません。麓から見て中岳がはっきりと見えないのは、こうした理由があるのです。

砂千里や東側の崖は、初代中岳が破壊された跡なのです。