1-1-11 沓掛山(くつかけ山)

南の空から見たくつかけ山

くつかけ山は産山村の北にあり、池山水源や山吹水源の水はくつかけ山の溶岩の隙間から湧き出しています。くつかけ山は、九重火山群のなかまで、比較的古い火山です(およそ15万年前)。この火山からは大量の溶岩が流れ出し、産山村にも流れてきました。その後、およそ5万年前に飯田火砕流(はんだかさいりゅう)を流す噴火があり、産山村の山鹿川以北は火砕流に覆われました。くつかけ山の溶岩流の一部を除いて覆われました。池山水源、山吹水源は、これらの火砕流や溶岩流が切れる谷から湧き出しています。

 

九重火山の地質図(産総研)

九重火山の地質図を見ると、くつかけ山から南西方向に溶岩流が流れ、さらにその上を飯田火砕流が覆っている様子がわかります。池山水源、山吹水源は飯田火砕流が途切れる谷から湧き出していることがわかります。なお、その後さらに新しい溶岩ドームが生成されていますが、産山村には到達していません。

 

仙酔峡から見た九重山

仙酔峡から九重火山を見ると、くつかけ山の溶岩流や飯田火砕流の堆積物は、麓の緩やかな斜面にあり、久住山などの新しい山々が目立っています。