火口カメラ(A)復旧に関するお知らせ
(公財)阿蘇火山博物館
令和3年10月20日に発生した中岳の水蒸気噴火により、阿蘇火山博物館が所有する火口カメラ(A)が破損し、これに伴いカメラ映像の配信が途絶えた。その後、NECネッツエスアイ株式会社(以下、NESICと略す)により現地調査を実施、その後修復を進めて令和5年7月21日に完了した。
噴火によって破損したのは、火口カメラのメインボディの接合部、内部のモーター基台、電源部分、および火口から博物館まで伝送する中継アンテナ、機器収納箱1 (通信、制御機器) および機器収納箱2 (電源機器) である。なお、火口縁から伝送アンテナまでの経路上の埋設光ケーブルには損傷はなかったが、噴火による山上一帯の設備環境等の変化に伴い、中継アンテナ支柱を撤去し阿蘇市が整備する施設に移設、そのために通信経路を一部変更した。
そのような中、復旧にはある程度の時間がかかることが想定されたため、少しでも火口内の情報を出していくため、噴火から1年を過ぎた令和4年10月、NESICのご尽力によって可搬型カメラを設置し仮復旧を行った。
これにより、気象庁(福岡管区気象台)及び在熊TV局5社(NHK, RKK, TKU, KKT, KAB)への配信を不十分ながら再開することができた。この度の本復旧にあたっては、環境省や阿蘇市のご厚意により、火口監視所から送信アンテナまでのケーブル敷設は、既存管路の一部を使用させていただき、また、アンテナや送信機器は新たに作られた「防災施設」の外壁および建物内に設置させていただいている。
今回復旧したカメラは、噴火前と同様、NECプラットフォームズ株式会社が保有する「超高感度技術」が使用されており、月明かりでも火口内をくっきりと映し出すことができる。
また、カメラ画面のスケールも表示することができ、指向性マイクによって火口内の音声も同時配信可能となっている。
今回の火口カメラシステムの復旧費用は、総額 約2,560万円、うち付保額 約2,200万円、不足分は博物館による自己負担である。 今後の火口カメラシステムの活用について、博物館としてはこのシステムを「地域の火山防災設備」として、地域の防災、観光、教育、研究などへと活用の幅を拡張する。そのために、このシステムを地域として維持・活用・運営するシステムの構築に向けた「火口カメラ運用協議会(仮称)」の発足に向けて進めている。
※今後のスケジュール
9 / 5 シンポジウム開催
10/20 協議会設立予定
※フルHD超高感度カメラについては以下をご覧ください。
HDTV超高感度カラーカメラ : 組込み製品/専用端末 | NECプラットフォームズ (necplatforms.co.jp)