3-3-01 阿蘇神社の農耕祭事(のうこうさいじ)

阿蘇神社のお祭り

阿蘇地方には古くから伝わっているお祭りや伝統芸能があります。その多くは地域の神社を中心に行われています。中には全国的に知られている貴重なものもあります。各地の神社ごとに永く(ながく)伝えられた祭りも残っています。祭りは地域の繁栄(はんえい)や穀物(こくもつ)の豊作(ほうさく)を祈って行われています。このようなお祭りを農耕祭事(のうこうさいじ)と言います。農耕祭事は神様の仕事の一つなのです。

ここでは、阿蘇神社で四季のおりおりに豊作と平安を祈るお祭りについて紹介します

 

➀田作り祭(3月)

新年の農作業を始めるためのお祭り

「御前迎え(ごぜむかえ)」や「火振り神事(ひふりしんじ)」が行れます。       

御前迎えとはお嫁さんを迎えることで、神の結婚を執り行う祭りです。赤水の吉松神社でヒメゴゼを迎え、御神体は阿蘇神社に向かいます。阿蘇神社の参道や楼門前では火振りが行われます。その後、拝殿で神様の結婚式が行われます。

 

②おんだ祭(7月)

おんだ祭りは御田植神幸式(おたうえしんこうしき)とも言われます。

阿蘇神社の御祭神を乗せた神輿、白装束の宇奈利(うなり)、早乙女(さおとめ)、田楽、獅子頭などが列を作り、御仮屋に立ち寄りながら稲の生育ぶりを見て廻ります。また御旅所では 神輿に早苗を投げ上げる御田植式が行われます(右の写真)。最初の御仮屋の御田植式からは 神輿を担ぐ駕輿丁が田歌を歌います。国造神社では7月26日に行われます。

神幸行列(しんこうぎょうれつ)や田歌(たうた)、宇奈利(うなり)の行列が見ものです。 

 

③田の実祭(9月)

稲作が無事に終わり、豊作を感謝する祭りです。拝殿で神事が行われた後、神を慰めるため「願の相撲」が行われます。その年のおんだ祭りの駕輿丁14名が紅白に分かれて相撲を取ります。相撲が終わると、参道で流鏑馬(やぶさめ)が行われます。