草壁吉見神社
草壁吉見神社の主祭神、彦八井耳命(ひこやいみみのみこと)は阿蘇神社の主祭神、健磐龍命(たけいわたつのみこと)の伯父に当たります。また健磐龍命の妃は彦八井耳命の娘さんで草壁吉見神社には神様の結婚に関わる神話を含め多くの神話を残しています。
1.主祭神
彦八井耳命:初代天皇(神武天皇)の第一皇子
2.創建
BC288年 阿蘇神社創建の6年前
3.由緒
神武天皇東征の時高千穂より五ヶ瀬川に沿ってこの地に来て池の大蛇を退治し、池を埋めて宮の場所を定めた。館を草の壁としたのでこの地方を草部(くさかべ)と呼ぶようになった。
4.名前の由来
ここぞよきみやとこ(ここは宮を置くのに良いとこ)と言われたので「吉見」となったという説や湧水のある泉を神聖なものと考え良い水といる意味で「吉見」となったなどの説があります。
5.社殿の特徴
池のあった低い土地に宮を設けたので参道が130段の下り階段になっています。
日本三大下り宮の一つです。
6.神話や伝承
(1)「火の玉」「水の玉」
彦八井耳命は日向(宮崎県)より日照りをもたらす「火の玉」と雨を降らせる「水の玉」という二つの石で作った玉を持ってきたという言い伝えがあります。これにより命は天気をあやつり、この地に農業を広めました。
(2)大蛇退治と血引原(ちひきばる)・灰原(はいばる)
彦八井耳命は人々を困らせる池の大蛇を命が退治しました。
その時大蛇の血がながれたところに「血引原」という地名が残っています。また大蛇を焼いて灰にしたところに「灰原」という地名が残っています。
拝殿に飾られている大蛇退治の絵 |
血引原・灰原 |
(3)阿蘇神社の神様の結婚にまつわる神話
草壁吉見神社の主祭神の娘さんと阿蘇神社の主祭神の結婚にまつわる神話にちなんだ地名が沢山残っています。その一例を示します。
草壁で結婚したお二人は歩いて阿蘇に向かいます。途中お召し物が汚れたので洗濯して、色染めし、乾かします。
このほか「祭場」「峰の宿」「前原」:旅の合間に妃が舞を舞った場所
「草履園」:草履が痛んだので直した場所などがあります。
お二人は阿蘇の見える峠に着きます。
この後は阿蘇の神話につながります。