熊本地震を起こした断層
南阿蘇村立野地区には、熊本地震を起こした布田川断層が走っています。
地下の深くでずれ始めた断層面が地表にまで達すると地面に「ずれ」が現れます。立野地区で見ることのできる断層を見てみましょう。
1.道路のセンターラインのずれ
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断層をはさんでこちらから相手を見ると、相手は右に動いています。また、向こうにいる人がこちらを見ると、私たちは右に動いています。このような断層運動では、相手が右に動いているので「右横ずれ断層」といいます。この動きは、熊本地震の時にずれた断層は、すべて「右横ずれ」となっています。
2.熊本地震の際に、がけがずれて飛び出してきました。
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この崖のずれは、熊本地震の時に白い部分がずれて、飛び出してきました。しかし、黄色い部分は、以前からずれて飛び出していました。この写真を見ると、地震が繰り返し起きていたことがわかります。
この断層も「こちら」から断層の向こうを見ると、右にずれていることがわかります。
*豆知識 起震断層とは?
地震は、岩盤に力が加わり、ひずみが限界に達したときに岩盤にずれ(断層)が生じます。その時に大きなゆれを起こします。それが地震です。このようにゆれを起こした断層を起震断層と言います。地震のゆれによって、地面にずれが生ずることがあります。こうしたずれも「断層」と呼ぶ人がいますが、地震を起こした断層(起震断層)とそのほかの断層とは区別する必要があります。1と2の例は、起震断層です。
3.熊本地震を起こした布田川断層のジオラマ
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中部九州では、大分から熊本にかけて「右横ずれ」の岩盤のずれがあります。この動きは、「大分-熊本構造線」と言われています。この構造線の西側が布田川断層(阿蘇カルデラ西部から熊本にかけて)で、マグニチュード7クラスの地震を繰り返し起こしています。KIOKUでは、布田川断層の場所をジオラマで見ることができます。